中学理科の動物のふえ方についてのまとめです。セキツイ動物は、魚類・両生類・は虫類・鳥類・ほ乳類の5つの分類に分けられ、それぞれが異なる方法で子孫を残しています。その中で、卵を産む「卵生」と母体内で子を育てる「胎生」という2つの増え方が特徴的です。この違いは、生息環境や進化の過程に深く関係しています。本項では、各分類ごとの増え方の特徴とその仕組みについて学び、セキツイ動物の多様性について理解を深めます。
セキツイ動物のふえ方
類 | 例 | 卵の有無 | 卵の特徴または発生場所 | 増え方の特徴 | 呼吸方法 |
---|---|---|---|---|---|
魚類 | コイ、サケ | あり | 水中で発生(ゼリー状卵) | 外部受精が一般的で卵は多産 | エラ呼吸 |
両生類 | カエル、イモリ | あり | 水中で発生(ゼリー状卵) | 幼生(オタマジャクシ)は水中生活、成体は陸上生活も可能 | 幼生:エラ、成体:肺と皮膚 |
は虫類 | カメ、ヘビ | あり | 陸上で発生(殻のない卵) | 殻のない卵を陸上に産む | 肺呼吸 |
鳥類 | スズメ、ニワトリ | あり | 陸上で発生(殻のある卵) | 親が卵を温め、外部環境から保護 | 肺呼吸 |
ほ乳類 | イヌ、ヒト | なし | 胎生(母体内で発生) | 胎盤を通じて栄養を供給 | 肺呼吸 |
・卵の特徴:セキツイ動物は卵生または胎生のいずれかで、それぞれの卵には特徴があります。
・幼生の成長環境:水中で発生するもの(魚類・両生類)と陸上で発生するもの(は虫類・鳥類・ほ乳類)があります。
・呼吸方法:成長段階や種類によって、エラや肺など異なる呼吸方法があります。
●代表的な動物
- 魚類:サメ、イワシ、サンマ、ウナギ、フナなど
- 両生類:カエル、サンショウウオ、イモリなど
- ハチュウ類:カメ、ワニ、ヘビ、トカゲ、ヤモリなど
- 鳥類:ハト、ツバメ、ニワトリ、ペンギンなど
- ホニュウ類:ウマ、人間、ウサギ、クジラ、イルカ、コウモリなど
●魚類のふえ方
水中に非常にたくさんの卵をうむ。このため、少しぐらい卵が死んだり、ほかの動物に食べられたりしても子孫を確実に残すことができる。親にまで育つ割合(生存率)は低い。
●両生類のふえ方
両生類は、水中に比較的多く卵をうむ。 生存率は低い。 陸上で卵がかえる動物 ハチュウ類や鳥類は陸上で卵をう
む。
●ハチュウ類のふえ方
卵の数は、魚類や両生類に比べて少ない。卵は陸上の砂の中や落ち葉の下などにうむものが多く、敵に見つかりにくい。
●鳥類のふえ方
草むら、木の枝などに巣をつくり、その中に少数の卵をうむものが多い。卵の数はふつう数個であるが、魚類や両生類に比べて生存率は高い。
●ホニュウ類のふえ方
胎生で、子の数は少ないが、親が子を守るので、生存率は最も高い。
うまれる子や卵の数
魚類は産卵数が多くなっている。一方、鳥類・ホニュウ類では産卵(子)数が少なく、ほとんどのものが1~10個(ひき)となっている。
また、産卵数の多い魚類や両生類では、卵や子の多くがほかの動物に食べられてしまい、親にまで育つのはごくわずかである。しかし、もともとの卵の数が多いので、子孫は確実に残っていく。
一方、鳥類やホニュウ類の産卵(子)数は少ないが、親が卵や子の世話をするので、卵や子が生き残って、親にまで育つ割合は大きくなっている。
水中で卵がかえる動物
水中で卵がかえるセキツイ動物は、魚類・両生類である。
卵生と胎生
●卵生
卵を産んでなかまを増やす
- 鳥類・ハチュウ類…殻に包まれた卵で生まれる。(鳥類は、かたい殻、ハチュウ類は、やわらかい殻)
- 両生類・魚類…殻のない卵で生まれる。寒天質に包まれた卵で生まれるのが両生類
●胎生
- 哺乳類…親とよく似た子を産み、仲間を増やす。乳を飲んで育つのが哺乳類。
動物のふえ方
動物のなかまのふやし方は、大きく分けると子をうむもの(ホニュウ類)と卵をうむもの(ホニュウ類以外のセキツイ動物や無セキツイ動物がある。卵のつくりや一度にうむ卵(子)の数は動物によって異なる。
動物の増え方練習問題
(1)卵を産んで、なかまを増やす方法を何というか。
(2)卵を産まず、子どもを体内である程度育ててから産む方法を何というか。
●解答
(1)卵生
(2)胎生
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