中学歴史「平安時代の定期テスト過去問分析問題」ポイント解説付です。平安遷都の理由・意義や,平安時代初めの政治の特色、平安時代の新しい仏教の特色、藤原氏が行った摂関政治や国風文化への理解を問題とポイントを解いて深めよう。
平安時代の定期テスト過去問分析問題
次の文を読み、下線部について次の問いに答えなさい。
(1)下線部①について、魏に使いを送った卑弥呼がおさめたとされる国名を漢字で書け。
(2)下線部②について、推古天皇のもとで行われたことについて述べた文を次から1つ選べ。
ア 班田収授を行う
イ 冠位十二階の制度を定めた
ウ 日本書紀が作られた
エ 国には国司、地方には郡司を任命し、政治をした
(3)下線部③に関して、天武天皇について述べた文を次から1つ選べ。
ア 大宝律令制定
イ 坂上田村麻呂を征夷代将軍に任命し、東北地方に派遣。
ウ 壬申の乱に勝利
エ 墾田永年私財法を制定
(4)下線部④について、このころの仏教について述べた文を次から1つ選べ。
ア 浄土信仰が流行
イ 天台宗を広めた最澄、真言宗を広めた空海が活躍
ウ 加賀などで一向一揆が起こる
エ 国分寺と国分尼寺、東大寺が建てられた
(5)下線部⑤について、この文化について述べた文を次から1つ選べ。
ア 紫式部が源氏物語を記した。
イ 朝鮮の渡来人が、陶磁器の技術を伝え、有田焼きなどが作られるようになった
ウ 書院造の建築様式がうまれた。
エ 万葉集がまとめられた。
平安時代の定期テスト過去問分析問題解答・解説
(1)邪馬台国
(2)イ
(3)ウ
アは、藤原不比等、イは桓武天皇、エは聖武天皇の時代
(4)エ
アは平安中期、イは平安初期、ウは室町・戦国
(5)ア
イは安土桃山から江戸にかけて、ウは、室町、エ奈良時代の文化。
平安時代のポイント
桓武天皇は、都を平安京(現在の京都)に移し、政治を立て直す。これ以後の約400年を平安時代といいます。坂上田村麻呂は、東北地方の蝦夷をおさえるために征夷大将軍に任命されます。
東北地方の進出
東北地方には蝦夷とよばれる。言葉や生活習慣が異なる人々が狩猟と農耕中心の生活をしていた。奈良時代から朝廷は開拓を進め、農民を移住させるなどして、支配を進めたが、蝦夷は反乱をおこすなどして根強く抵抗していた。797年、桓武天皇から征夷大将軍に任じられた坂上田村麻呂は、胆沢地方(現在の岩手県水沢市付近)を中心とした 指導者のアテルイが率いる暇夷を破り、胆沢城や志波城を築いて、朝廷による支配を広げていった。
唐風文化
平安時代の初期には唐風文化が全盛となり、漢文学が栄え、漢詩文や書道は貴族の教養とされ、菅原道真や空海が文人としても活躍した。また、新しい仏教(密教)の影響を受けて、寺院は山中に建てられるようになり、神秘的な仏教美術が栄えた。室生寺(奈良県)の五重塔や金堂、観心寺(大阪府)の如意輪観音像などが、この時代を代表する遺産として有名である。
摂関政治
自分の娘を天皇きさきにして、その子を次の天皇とし、天皇が幼いときに摂政、成長後は関白として政治の実権を握る。
- 藤原道長・頼道…摂関政治を最も盛んに行う。
- 荘園…朝廷の重要な地位を独占した藤原氏は、地方の政治を任された国司から多くの寄付を受け、荘園と呼ばれる私有地を増やす。
藤原氏は、天皇の親戚となり、重要な地位を独占した。
国風文化
日本の風土や生活に合った独自の文化。
- 仮名文字…漢字を変形させ、日本語の発音を表す。
- 浄土信仰…念仏を唱え、阿弥陀如来にすがる。
- 平等院鳳凰堂…藤原頼道が宇治に建てた阿弥陀堂。
新しい宗教が、唐から帰国した僧たちが広める。
- 最澄…比叡山に延暦寺を建て、天台宗を広める。
- 空海…高野山に金剛峯寺を建て、真言宗を広める。
遣唐使の停止…9世紀丸末に唐の国内が混乱し、勢力がおとろえたため、菅原道真の真言で遣唐使を停止した。
院政
11世紀末、白河天皇は、位を譲って上皇になったのちも政治を行いました。摂関政治はおとえました。
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