じん臓と肝臓のはたらきとしくみのポイントについてまとめています。それぞれ、ヒトのからだの仕組みおいて、重要なはたらきです。テストでも頻出のところなので確実におさえましょう。
【じん臓と肝臓】不要物の排出
消化・吸収によって体内にとり入れられた養分は、呼吸によってとり入れられた酸素で酸化・分解される。その結果、不要なものができて血液にまじる。これらの不要なものが体内に残っていると害になる。二酸化炭素や水の一部は、呼気に含まれて肺から外に出されるが、それ以外のものは、排出器官によって、尿や汗として体外に出される。
じん臓のはたらき
- 血液からこしとられた不要物である尿は、腎臓につながっている輸尿管を通ってぼうこうに蓄えられます。
- 血液中の尿素などの不要物をこし取り尿として体外に排出する。
- 血液中の塩分濃度を調節する。
肝臓のはたらき
- 有害なアンモニアを無害な尿素に変える…細胞の呼吸で生じたアンモニアや養分と一緒に吸収してしまったアンモニアを無害な尿素に変える働きがあります。
- 胆汁をつくる…脂肪の消化を助けるはたらきがある胆汁をつくり胆のうに蓄えます。
- 養分を一時グリコーゲンとして蓄える…ブドウ糖などの養分をグリコーゲンとして一時蓄えます。
排出器官
このように体内で不要になったものや、体内に多すぎるものを体外へ捨て去ることを排出といい、排出のための特別なつくりを排出器官といいます。ときには、その生物にとっ て有用な物質(消化液や乳)を体外に出すこともありますが、これは分泌といいます。排出も分泌も、生物体での呼吸などの生命活動の結果として、物質が放出されるという点では同様である。
排出のはたらきとしくみ
細胞では、酸素を作って栄養分を分解し、生活活動に必要なエネルギーを取り出しています。分解される物質がブドウ糖と脂肪のときは、二酸化炭素と水が、アミノ酸のときは有害なアンモニアが生じます。
排出の例
- 二酸化炭素…肺から排出
- 水…じん臓と汗せんから排出
- アンモニア…肝臓で尿素につくりかえられ、じん臓で尿中に排出。
【対策問題】じん臓と肝臓の定期テスト
(1)次の問いに答えよ。
- 胆汁をつくったり、有害な物質を害の少ない物質につくり替えたりする器官を何というか。
- 血液中から不要な物質をとり除いて尿をつくる器官を何というか。
- 有害なアンモニアからつくられる害の少ない物質を何というか。
- たんぱく質の分解で生じた有害なアンモニアは、どのように体外に排出されるか。【じん臓】【肝臓】の語句を用いて書け。
(2)次の問いに答えよ。
- 人体の化学工場と呼ばれている体の中で一番大きな臓器は何か。
- 肝臓では有害なアンモニアを無害な何につくり変えているか。
- 肝臓では脂肪の消化を助ける何という消化液をつくっているか。
- 3はどこに蓄えられるか。
- 肝臓と小腸は何という血管でつながっているか。
- 肝臓を流れる前の血液にはアンモニアが多く含まれ、肝臓を流れた後の血液には尿素が多く含まれている。このことから肝臓にはどのようなはたらきがあると考えられるか。
(3)次の問いに答えよ。
- じん臓につながっている尿を通す管を何というか。
- 1につながっている尿をためる袋を何というか。
- じん臓のはたらきを2つ答えよ。
- 腎動脈と腎静脈のどちらを流れる血液が不要物が少ないか。
- じん臓では血液中の不要物をろ過したあと、必要なものをどうしているか。
- じん臓のつくりは小腸の柔毛や肺の肺胞のように、何が大きくなるつくりになっているか。
【解答】じん臓と肝臓の定期テスト
(1)
- 肝臓
- じん臓
- 尿素
- 肝臓で尿素につくり変えられ、じん臓で尿中に排出される。
(2)
- 肝臓
- 尿素
- 胆汁
- 胆のう
- 門脈
- 有害なアンモニアを無害な尿素につくりかえるはたらき。
(3)
- 輸尿管
- ぼうこう
- 血液中の不要物をこし取り尿として排出する。/血液中の塩分濃度を調節する。
- 腎静脈
- 再吸収
- 表面積
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