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中学国語古文「仮名世説のテストでよく出る問題」

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中学国語古文「仮名世説のテストでよく出る問題」です。『仮名世説』は、中学国語の古文でよく扱われる作品の一つです。文章の内容理解はもちろん、登場人物の言動や教訓、重要な古語の意味などがテストで問われやすいポイントになります。この記事では、テストによく出る問題を厳選し、紹介します。しっかり対策して、高得点を目指しましょう!

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仮名世説のテストでよく出る問題

次の文章は、江戸の芝(しば)三島(みしま)町(現在の東京都港区芝大門)で菓子店を営む新右(しん)衛門(えもん)と、彼の店に日用品などを売りに来る行商人たちとのかかわりを扱ったものである。これを読んで、後の問いに答えなさい。

芝三島町に菓子をあきなふ新右衛門といへるは、少欲(注1)至(し)直(ちょく)にして、(注2)日ごとに買ふ品の価(あたへ)をあらそふ事なく、売る人の言ふままにまかせてもとめければ、⑴家内の者いぶかりて、「商人はいづれも同じ事にて、その価の高下をあらそふならひなるに、(注3)いかなればかく言ふままにはしたまふぞ。」と①言ふを聞きて、「かれらは日ごとに重きを荷(にな)ひて、朝は(注4)とくい出で、夕べには遅く帰る。ことに暑寒の折からはそのくるしみ(注5)言ふべくもあらじ。(注6)おのれらは年中店に居て風雨の(注7)うれへもなく家業を営むは⑵有りがたき事ならずや。たとひ人にもの施す事は為(な)しがたくとも、せめてはその価をあらそはずしてもとめなば、少しはかれらがたすけともならんか。」と②言ひける。後々は新右衛門が情ある事を③知りて⑶売る者も価を低くして持ち来たりしとなん。
「仮名世説」から

(注1) 至直=非常に正直なこと
(注2) 日ごとに=毎日
(注3) いかなれば=どうして
(注4) とく=早く
(注5) 言ふべくもあらじ=言葉で表現できないほどだろう
(注6) おのれらは=自分たちは
(注7) うれへ=心配

問1 「あらそふならひ」は現代ではどう読むか。現代かなづかいを用いて、すべてひらがなで書きなさい。

問2 ⑴家内の者いぶかりてとあるが、家の者は新右衛門のどのような行為について不審に思ったのか。
ア 行商人の希望する通りの商品を探し出して分け与えたこと。
イ 口げんかもせず行商人の訴える苦しみを聞いてあげたこと。
ウ 少欲で正直なふりをして相手の商品をだまし取っていたこと。
エ 値引きの交渉もせず相手の言う値段で商品を買っていたこと。

問3 ⑵有りがたき事ならずやとあるが、どんなことを「有りがたき事」だと言っているのか。現代語で三十字以内で書きなさい。

問4 ①言ふ ②言ひ ③知り について、それぞれの主語にあたる人物の組み合わせとして適切なものはどれか。
ア ①家内の者―②売る者―③新右衛門
イ ①家内の者―②新右衛門―③売る者
ウ ①新右衛門―②売る者―③家内の者
エ ①新右衛門―②家内の者―③売る者

問5 ⑶売る者も価を低くして持ち来たりしとあるが、売る者が値段を下げたのはなぜか。
ア 正直者で自分たちの言いなりになる新右衛門に同情したため。
イ 新右衛門が家の者から疑われているとわかってあわ哀れんだため。
ウ 新右衛門の誠意に対して自分たちもまた誠意でこたえるため。
エ 毎日ものを施してくれた新右衛門に感謝の気持ちを表すため。

仮名世説のテストでよく出る問題の解答

問1 あらそうならい
問2 エ
問3 (例)自分たちは年中店にいて風雨の心配もなく、家業を営んでいること。
問4 イ
問5 ウ

〈口語訳〉
芝三島町で菓子店を商っている新右衛門という人は、私欲のない正直者であった。毎日の仕入れの価格を交渉することなく売り手のいうままの価格で買い求めていたので、家の者は不審に思い「商人は何の商売でも同じで、その仕入れの価格を交渉するものであるのに、どうして売り手の言うままにするのですか。」というのを聞いて「彼らは毎日重い荷を背負い朝早く家を出、夕方遅く家に帰る。特に暑さ寒さの(厳しい)頃のつらさは言葉では表現できないほどだろう。(それに比べて)自分たちは年中店の中にいて、雨風の心配もなく営んでいられることはありがたいことではないか。たとえ人に物を与えることは出来なくても、せめて買い値をあらそわないで仕入れれば、少しは彼らの助けになるだろう。」といった。その後は新右衛門が人情のあることを知って、売り手も価格を低くして持ってきたという。

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