中学国語「覚えておきたい古文の省略一覧」です。
古文の省略のパターンとは?
今回は、中学古文の省略のパターンを知って、読解力を高めるコツをつかんでいきましょう。大きく5つの省略のパターンがあります。省略されたものを補って読んでいくことで、大意はつかみやすくなります。それでは、中学古文の省略のパターンを知って、読解力を高めるコツをつかむをみていきましょう。
主語や目的語につく助詞「が」「を」の省略
- 今は昔竹取の翁にといふものありけり
<訳>今となっては昔のことだか、竹取の翁という人がいた。 「もの」のあとに、「が」が省略されていた。 - それには色々の魂の玉橋渡せり。
<訳>色々な玉でできた橋を渡してある。 「橋」のあとに「を」が省略されていた。
並列や対の関係にある主語の省略
- 足強気人は、早く、よわきは行くこともおそきも、よく似たり。
<訳>足が強い人は早く進み、弱い人は進むのが遅い点も、よく似ている。 「よわき」のあとに、「人」が省略。
繰り返しの述語の省略
- 夏は夜。月のころはさらなり、やみもなお、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
<訳>夏は夜は趣深い。月のころはいうまでもなく、やみ夜もやはり、蛍がたくさん乱れ飛んでいるのが趣深い。また、たった1匹2匹ぐらい、かすかに光って飛んでいくもの趣深い。 趣深いをなんども繰り返すため省略。
なくてもわかる述語の省略
- はしたなきもの。こと人を呼ぶに、われぞとてさしいでたる。
<訳>間が悪いもの。他の人を呼んだのに、自分が呼ばれたと思ってでしゃばったのは間が悪い。 「が呼ばれた」「のは間が悪い」の2つが省略されていた。
会話の「 」の省略
古文では普通会話に「 」がついていません。ですので、会話部分はどこからどこまでかを見分けることが大切になります。
➊会話部分の「すぐ前」にある表現のパターン
- その発言者+の、
- 「用言+に」「用言+、」「用言+て、」「~を、」「いはく」「言ふやう」
<例>かぐや姫言ふやう、「なんでふ心地…。」…。
➋会話文の「すぐ後」にある表現のパターン
- 「と」「とて」「と言ひ(思ひ)て」「と言ふ」
<例>かぐや姫、「…なんでふものを嘆き侍るべき。」と言ふ。
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