「日本国憲法の3つの基本原理と大日本帝国憲法」についてのまとめです。人権思想は、近代革命期に成立して、第二次世界大戦後に広がっていきます。その中で、日本国憲法の3つの原則をうまれます。それでは、中学公民の「日本国憲法の基本原理と大日本帝国憲法」についてのまとめをみていきましょう。
日本国憲法と大日本帝国憲法と比較
大日本帝国憲法は、主権は天皇でしたが、日本国憲法では、国民に移っています。
大日本帝国憲法 | 憲法 | 日本国憲法 |
---|---|---|
1889年発布、1890年施行 | 成立 | 1946年公布、1947年施行 |
欽定 | 性格 | 民定 |
天皇 | 主権者 | 国民 |
神聖不可侵 | 天皇 | 象徴天皇 |
法律の範囲内で自由や権利を認める | 国民の権利 | 基本的人権は不可侵・永久 |
天皇の協賛機関 | 国会 | 国権の最高機関、唯一の立法機関 |
天王を助けて政治を行う | 内閣 | 議院内閣制 |
天皇の名において裁判 | 裁判所 | 違憲立法審査権がある |
法律によって制限できる | 基本的人権 | 最大限に尊重、男女平等 |
兵役の義務あり、天皇の統帥権 | 軍隊 | 兵役の義務なし、戦争放棄 |
- 成文憲法…憲法典としてまとまった形式をもつ憲法。まとまっていないものを不文憲法。
- 欽定憲法…君主主権に基づいて君主(天皇)が制定した憲法
- 民定憲法…国民の代表機関である議会(国会)などを通じて、国民が制定した憲法。
基本的人権
基本的人権は、人が生まれながらして持っている人間としての権利。成立は、近代革命後の人権宣言や憲法で人権を保障。
- 自由権…近代の人権宣言で保障された。
- 社会権…20世紀になり人権規定の中に取り入れられた。
- 世界人権宣言…人権の国際的に保障した。
ドイツのワイマール憲法が「人間に値する生存」(生存権)などの社会権を最初に保障した。
大日本帝国憲法
日本での人権を最初に保障した。臣民の権利として、人権は天皇からの恩恵で法律で制限されていた。
日本国憲法
三つの基本原理からなる国の基本法
- 憲法…国の政治の仕組みの根本を定める法。最高法規で憲法に反する法律や命令は無効。
- 立憲主義…政府の権力を制限して、国民の人権を立憲を保障する。
日本がポツダム宣言を受け入れて降伏し、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の原案のもとに憲法改正草案を作成。帝国議会で審議可決された。成立は、1946年11月3日に公布。1947年5月3日に施行。基本的原理は、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重。
国民主権
国の政治の決定権は国民が持ち、政治は国民の意思に基づいて行われる。天皇は、日本国と日本国民統合の象徴で国事行為のみ行う。
平和主義
憲法の前文で全世界の恒久平和のために努力することを基本原理とする。第9条は、戦争を放棄し、戦力を持たず、交戦権を認めないと定めている。
- 自衛隊…政府は「自衛のための必要最低限の実力」と説明。国連平和維持活動(PKO)へ参加している。
- 日米安全保障条約(日米安保条約)…日本の防衛のためアメリカ軍の駐留を認める。
- 非核三原則…日本は核を「持たず・つくらず・持ち込ませず」の原則をかかげている。
コメント