中2理科「クルックス管のポイントまとめ」です。
クルックス管
ガラス管内の空気を真空放電のときよりもぬいた器具です。
- 陰極線…電圧をかけて電流をながしたとき、-極から+極に向かってまっすぐ飛んでくるもの。
- 電子…-の電気をもつ小さな粒。陰極線は電子の流れで、現在では、陰極線のことを電子線といいます。
電子の質量
電子の質量は、最も軽い水素原子の質量で、9.11 × 10-31kgである。また、その電気量はクーロン (1クーロンは1Aの電流が1秒間流れるときの電気量)という単位ではかれば、1.60 × 10-19クーロンである。
電流と電子
導線に電圧をかけると、光の速さ(30万km/) と同じ速さでそれが導線に影響し、ほとんど一瞬に導線全部に電圧の分布ができる。この電圧 のために、導線内の自由電子は、導線のどの部分でもいっせいに電池の-極から+極に向かって動き、導線をつくっている原子(電子を失っ、 る陽イオン)にぶつかりながら進むが、その速さはあまり速くない。これが電流である。
このことは、長い鉄管の全体に水を入れておいて、一方から水をおすと、水はただちに他方の口から流れ出るが、管中の水(自由電子に相当する)はごくわずかしか動いていないのと似ている。
電子の動く向きは、電流の流れと逆向きである。
電子の流れと抵抗
陰極線の実験で電圧をかけると、電子は加速されてきわめて速く動くが、金属導体中では電圧をかけても、自由電子はあまり速くは動けない。これは、導体の原子が規則正しくならんでいて、温度に応じて振動しているため、自由電子が原子と衝突しながら、ジグザグに進むからである。
電子線の性質と正体
電子線には、つぎのような性質や作用がある。
- (陰)極面から垂直に出て直進する。
- 物体に当たると力をおよぼす。
- けい光物質に当たって、けい光を発する。
- 磁界や電界中で力を受けて曲がる。
- 写真乾板を感光させる。
- 気体の分子に衝突すると、それをはね飛ばしたりイオンにしたりする。
陰極線の性質から粒子の流れであることが予想され、磁界や電界中で受ける力の向きから-の電気を帯びていることがわかる。 陰極線の正体は電子というきわめて小さな-の電気を帯びた粒子の流れである。このため、陰極線のことを電子線ともいう。
- 電子線は-極から出て+極に向かう。
- 電子線は、電極版の+極側に曲がります。
- 電子線は、磁石によって曲げられます。
自由電子
金属のような原子では、その中に含まれている電子の一部が原子からはなれて、自由に移動することができます。このような電子を自由電子といいます。自由電子のある物質が導体で、ない物質が不導体です。
金属の中の自由電子は金属の両端に電圧をかけると、正極のほうに移動する。この電子の動きが電流で、一定時間に移動する電子の数が多いほど、大きい電流が流れたことになります。
真空放電
真空放電とは、放電管内の空気を抜いて、気圧が低い状態し、放電管の両端に高い電圧をかけることで起こる放電現象です。
<実験>
- 放電管内の空気を真空ポンプで抜き、圧力が低い状態にする。
- 誘導コイルを使って放電管の両端に高い電圧を加える。
- 管内のようすを観察する。
<結果>
放電管内に青い線が見えます。これは、放電管の両端に強い電圧を加えることで、放電管内に電流が流れたためです。この電流の正体は電子というマイナスの電気を帯びた粒子で、空気中の酸素や窒素原子と電子が衝突することで、青い光の線が見えるのです。
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