中2理科の酸化銅の分解(酸化・還元)の問題です。学習のポイントは、酸化銅の分解すると、酸化と還元が起こるということです。そのあたりを問題を解きながら理解をしていきましょう。
酸化銅の還元の定期テスト過去問分析問題
酸化銅と炭素の混ぜ合わせた混合物を加熱したときに起こる変化について調べる実験を行った。下の( )内は、その実験の手順と結果の一部です。
<手順>
- 酸化銅の粉末6.00gと炭素の粉末0.45gを、乳鉢と乳棒を用いてよく混ぜ合わせた。
- 1の混合物を試験管Aに入れ、ガスバーナーで加熱した。
- 気体の発生がみらてなくなったところで加熱を止め、試験管A内に残った物質の質量を調べた。
- 酸化銅の粉末の質量は6.00gのまま変えずに、炭素の粉末の質量だけを0.45gから0.15gずつ少なくしたり多くしたりして1~3と同様のことを行った。
<結果>
混ぜ合わせた炭素の粉末の質量(g) | 0.15 | 0.30 | 0.45 | 0.60 | 0.75 |
試験管A内に残った物質の質量(g) | 5.60 | 5.20 | 4.80 | 4.95 | 5.10 |
酸化銅の粉末6.00gと炭素の粉末0.45gを混ぜ合わせて加熱したとき、混合物は完全に(過不足なく)反応した。
問1 酸化銅に起こった化学変化を、炭素に起こった化学変化に対して何というか・
問2 ( )に適当な数値を入れよ。酸化銅の粉末6.00gと炭素の粉末0.45gを混ぜ合わせて加熱したとき、加熱を初めてから混合物が完全に反応を終えるまでに、( )gの気体が発生したと考えられる。
問3 酸化銅の粉末6.00gと炭素の粉末0.30gを混ぜ合わせて、気体が発生しなくなるまで加熱したとき、試験管A内に残った固体の物質は何か。簡潔に書きなさい。
酸化銅の還元の定期テスト過去問分析問題の解答
問1 還元
問2 1.65 (加熱前の全体6.45gー試験管A残った物質(銅)4.80g=1.65g)
問3 酸化銅と銅
酸化銅の分解(酸化・還元)のポイント
- 銅を空気中で加熱すると、空気中の酸素が化合して黒色の酸化銅になります。この酸化銅を、炭の粉(炭素)を混ぜて加熱すると、酸化銅から酸素が外れて銅に還元され、炭素は逆に酸素が化合して二酸化炭素になります。
- 黒色の酸化銅ですが、炭素によって完全に還元が完了すると、赤褐色の銅になります。
- 酸化銅は、炭素Cだけでなく水素H2によっても還元できます。これは、酸素Oが銅Cuよりも水素Hと結合しやすいからです。水素は酸化されて水になります。
一定の質量の金属と化合する酸素の質量は決まっています。金属を加熱すると、化合した酸素分だけ質量が増えていくが、やがて酸素がそれ以上化合しなくなり、一定の質量になります。加熱の回数を増やしていくと、質量が増えなくなり一定になるということです。すべての酸素と化合したからです。
還元の発展内容
還元は、酸化と逆の反応を還元といいます。還元は、酸化された金属がもとの金属にもどる(還元する)ということからきたものです。還元は、 酸化物から酸素の一部または全部を取り除くこと、あるいは、ある物質に水素を化合させる反応ということになります。
たとえば、つぎの反応で酸化銅に着目すると、酸素が取り除かれているので、還元です。
- CuO + H2 → Cu + H2O (酸化銅+水素→銅+水)
さらに広い意味では、原子または原子団が電子を受け取る反応を還元ということがあります。たとえば、塩化ナトリウムはナトリウムイオンNa+と塩化物イオンCl–とが結合したものであると考えられる。
電気分解の例では、Na+電子1個→金属ナトリウムという式で表される反応がおこり、ナトリウムイオン は陰極で電子1個を受け取って金属ナトリウムに変化します。
- 2Na++C– → 2Na(陰極) + Cl2(陽極) (塩化ナトリウム→金属ナトリウム+塩素)
これも還元の例である。
酸化と還元
酸化と還元は、ふつう同時におこります。その場合、全体の化学反応を酸化・還元反応といいます。
●酸化銅の還元
酸化銅を水素で還元するときの反応は、つぎのように表されます。
- CuO + H2 → Cu + H2O (酸化銅+水素→銅+水)
この反応で、酸化銅は還元されて銅になりますが、水素は酸化されて水になっています。酸化銅に着目すれば還元であり、水素に着目すれば酸化です。反応物のどれに着目するかによって、酸化と還元ともみることができます。
酸素やオゾンのほか、 酸素を放ちやすい化合物です。 たとえば、過酸化水素、酸化水銀、熱した酸化銅、二酸化マンガン、二酸化鉛、亜硝酸・硝酸・過マンガン酸カリウム・クロム酸・塩素酸・次亜塩素酸などとその塩、熱濃硫酸、塩素、臭素などのハロゲンが酸化剤として用いられます。酸化・還元反応で還元される反応物を、酸化剤ということもあります。
不安定な水素化合物、炭素、一酸化炭素、亜硫酸とその塩、ナトリウム・ マグネシウム・カルシウム・ アルミニウム・亜鉛などの金属、鉄塩、塩化スズなどが還元剤となります。また、酸化・還元反応において、酸化される側の反応物を還元剤ということもありいます。
コメント
役に立ちました。各単元ごとに、このような解説があると更に助かります。また利用したいです。