高校入試対策古文「更級日記のよく出る問題」です。高校入試の古文では、作品の内容や心情描写を深く理解することが求められます。その中でも、「更級日記」は頻出作品のひとつ。特に、作者の心情や時代背景に関する問題が多く出題されるため、しっかりと対策しておくことが重要です。
この記事では、「更級日記」の中でよく出題されるポイントをわかりやすく解説し、入試本番で確実に得点を取るための勉強法を紹介します。一緒に苦手意識を克服し、自信を持って挑みましょう!
【問題】更級日記のよく出る問題
【問題】次の古文は「更級日記」の一節である。これを読んであとの問いに答えなさい。
あづま路の道のはてよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、①いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひはじめけることにか、世の中に物語といふもののあん②なるを、( ③ )見ばやと④思ひつつ、つれづれなるひるま、よひゐなどに、姉、継母などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、⑤ところどころ語るを聞くに、⑥いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、⑦そらでいかでかおぼえ語らむ。
いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏をつくりて、手洗ひなどして、人まに⑧みそかに入りつつ、「京にとくあげたまひて、物語の多くさぶらふなる、⑨あるかぎり見せたまへ」と、身をすてて額をつき祈り申すほどに、十三になる年、のぼらむとて、九月三日門出して、いまたちといふ所にうつる。
『更級日記』・かどで
※あづま路の道のはて…作者は父の赴任先である上総国(今の千葉県)で幼年期を過ごしたことがある。
※薬師仏…衆生の病を救い、ありがたいご利益があるという薬師如来のこと。
問一 下線部①・④・⑤・⑦・⑨の主語として適当なものを次の中からそれぞれ選びなさい。
ア 物語
イ 姉・継母
ウ 薬師仏
エ 光源氏
オ 作者
問二 下線部②「なる」の品詞説明として正しいものを次から一つ選びなさい。
ア 四段動詞「成る」の連体形
イ 形容動詞ナリ活用の連体形活用語尾
ウ 断定の助動詞「なり」の連体形
エ 伝聞・推定の助動詞「なり」の連体形
問三 空欄( ③ )に入る語を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。
ア いかが
イ いかで
ウ いかにも
エ いづら
オ いで
問四 下線部⑥「いとど」と⑧「みそかに」の意味を書きなさい。
【解答・解説】更級日記のよく出る問題
『更級日記』は幼年期を上絵(今の千葉県)で過ごした作者が、『源氏物語』に憧れたり、様々な経験をしていくいわば、人生の回想記です。本文一行目の「奥つかたに生ひ出でたる人」とは作者自身の三人称表記です。
問一 ①オ ④オ ⑤イ ⑦イ ⑨ウ
問二 エ(伝聞・推定の助動詞「なり」の連体形)
問三 イ(いかで)
問四
⑥ますます
⑧こっそり
<現代語訳>
「東路の道(東海道)の果てなる常陸・・・」と古い歌に詠まれるその常陸国よりも、もっと奥深い方(上総国)で育った人(である私)は、どんなにか田舎びてもいただろうに、どのように(そう)思い始めたのであろうか、「世間に物語というものがあるそうだが、何とかして見たいものだ」と思いつつ、退屈な昼間や宵のだんらんなどに、姉や、継母などのような人が、その物語だの、あの物語だの、光源氏の有様など、ところどころ語るのを聞くと、ますます(物語に対する)見たさはつのる一方ではあるが、自分の思いどおりに、どうして(その人達が)暗記して思い出し語ってくれるだろうか、いや語ってくれないだろう。
たいそうじれったい気持ちなので、等身大に薬師仏(の像)をつくって、手を(お清めのために)洗ったりなどして、人のいない間にこっそり(仏間に)こもっては、「京都に早く(私を)上げ(上京させ)なさって、物語が数多くあるといいますが、(その物語を)あるだけお見せください」と、一心不乱に額をすりつけて祈り申し上げるうちに、十三歳になる年、上京しようということになって、九月三日に門出をして、「いまたち」という場所に移る。
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