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高校入試対策古文「宇治拾遺物語のよく出る問題」

宇治拾遺物語アイキャッチ画像 入試対策
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高校入試対策古文「宇治拾遺物語のよく出る問題」です。高校入試で古文が重要な科目のひとつであることは言うまでもありません。その中でも「宇治拾遺物語」は、出題頻度が高く、しっかりと対策をしておきたい作品です。
この記事では、「宇治拾遺物語」の中で特に出題されやすいポイントや、よく出る問題の傾向を徹底的に解説します。本文の内容理解を深めるとともに、実際に解く練習をして、入試に備えましょう!

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宇治拾遺物語のよく出る問題

【問題】次の古文を読んであとの問に答えなさい。

今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち宵のつれづれに、「いざかいもちひせむ」といひけるを、この児、心よせに聞きけり。「さりとて、し出ださむを待ちて寝ざらむもわろかりなむ」と思ひて、片々によりて寝たるよしにて、出で来るのをa待ちけるに、すでにし出だしたるさまにて、bひしめきあひたり。この児、「①定めておどろかさんずらむ」と待ちゐたるに、僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせ給へ」といふを、うれしとは思へども、「ただ一度にいらへむも待ちけるかともぞ思ふ」とて、「いま一声よばれていらへむ」と②念じて寝たるほどに、「や、③なおこし奉りそ。をさなき人は寝いり給ひにけり」といふ声のしければ、「あな、わびし」と思ひて、「いま一度おこせかし」と思ひ寝に聞けば、ひしひしと、ただ、c食ひに食ふ音のしければ、すべなくて無期ののちに、「えい」とdいらへたりければ、僧たち笑ふことかぎりなし。(『宇治拾遺物語』)

※比叡の山…京都にある比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)のこと。。
※かいもちひ…ぼたもち・おはぎ。
※よし…ふり・まね。

問一 下線a~dの主語として最も適当なものを、次の中からそれぞれ選びなさい。
ア:児  イ:僧たち

問二 下線部1「定めておどろかさんずらむ」の口語訳として適当なものを、次の中から選びなさい。
ア 時間を決めておどろかすのだろう
イ きっと起こしてくれるだろう
ウ きっとお気づきになるだろう
エ 定時に起きてくるだろう

問三 下線部2「念じて寝たるほどに」、及び傍線部3「なおこし奉りそ」を、それぞれ十三字以内で口語訳しなさい。

宇治拾遺物語のよく出る問題の解答

解答・解説
今回とりあげた「宇治拾遺物語」は鎌倉時代に成立したとされる説話です。ぼたもちにこだわる子供と、それを観察する僧たちのやりとりがイキイキと表現されています。

問一aア b イ cイ dア

aとbの間の「に」で主語が変わっています。

問二(きっと起こしてくれるだろう)

「さだめて~推量」は「きっと~だろう」と訳す呼応の副詞。そして、「おどろかす」は「起こす」と訳す重要古語です。「んず」は強意の助動詞「むず」と同じ。「らむ」は現在推量の助動詞で、「(今ごろは)…ているだろう」と訳します。古典文法は確実な得点源となりますから、しっかり固めておきましょう。

問三
2我慢して寝ていたときに(十一字)
3起こし申し上げるな(九字)

2の「念ず」は「我慢する」と訳す重要古語。「ほど」は「~とき」くらいに訳しましょう。3の「な~そ」は「~してはいけない」と訳す禁止表現。この場合の「奉り」は「~申し上げる」と訳す謙譲の補助動詞。

<現代語訳>
今となっては昔のことであるが、比叡山にある子供がいたそうだ。僧たちが宵の退屈しのぎに、「さあ、ぽたもちを作ろう」と言ったのを、この子供は、期待して聞いていた。(子供は)「そうかと言って、(僧たちが)ぼたもちを作り出すのを待って寝ないのもはしたないだろう」と思って、部屋の片隅に寄って寝たふりをして、(ぼたもちが)できるのを待っていたところ、すでに作りあげた様子で、(僧たちが)騒ぎ合っている。この子供は、「きっと起こしてくれるだろう」と思って待っていたが、僧が、「もしもし。目をおさましください」と言うのを、(子供は)うれしいとは思うものの、「(呼ばれて)たった一度で返事をするのも(ぼたもちができるのを待っていたのかと思われたら困る」と(子供は)思って、「もう一度呼ばれたら返事をしよう」と我慢して寝ていたときに、「これ、起こし申し上げるな。幼い人は寝入りなさってしまった」という(僧の)声がしたので、子供は)「ああ、辛い」と思って、「もう一度起こしてくれよ」と思いながら寝ていると、(僧たちが)ムシャムシャと、しきりに、(ぼたもちを)食べに食べる音がしたので、どうしようもなくなってずいぶんたったあとに、「はあい」と(子供が)返事をしたので、僧たちは笑うことこの上なかった。

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