中学公民「景気変動のポイントまとめ及び定期対策テスト問題」です。
政府は、国の経済全体の利益と国民の福祉の向上のために、市場では供給されにくい公共施設(社会資本)の建設や公共サービスの提供、社会保障のための支出を行っています。
市場では、景気変動(景気の循環)「好景気(好況)と不景気(不況)が交互にくり返されること」がありますが、政府は財政政策を行うことで、これを調整しています。
景気変動(景気の循環)
資本主義経済は、景気が変動をくり返しながら発展してきた。政府は財政政策によって景気の安定化を図る。
- 景気変動(景気の循環)…不景気(不況)と好景気(好況)が交互に繰り返される。
- 不景気…企業の生産活動をふるわず、物価が下落するデフレーション(デフレ)が起こることもある。
- 好景気…経済活動が活発なるが、物価が上昇するインフレーション(インフレ)が進み、人々の生活を圧迫することもある。
- 財政政策…政府が景気の状態に応じて財政支出の増加などの景気の波を調整する。景気の安定化を図る。
好景気
好景気(好況)では商品の売れゆきが増大し、生産設備は拡張され、雇用も増え、賃金は上昇する。
好景気の中で、企業が生産を拡大すると、いつかは供給が需要を上回り、商品の売れ残り(在庫)が出始め、景気は後退し始める。
不景気
不景気(不況)では、商品の売れ残りが増大し、企業の利潤も減る。労働力も余るようになり、賃金の上昇が止まり、失業者も増加する。物価はふつうは下落する(ただし、現在では上昇することもある)。
好景気から急激に不景気になった場合に起こる経済や社会の大混乱を恐慌という。1929年、ニューヨーク の株式の大暴落に始まった世界恐慌が有名である。
不景気が続くと、企業はそれに耐えるため、生産の合理化をすすめる。その結果、在庫が整理されると、企業は再び利潤を回復し、経済活動は活発化する。
スタグネーション
スタグフレーションは、景気がよくなくても物価がずっに上昇する傾向をいう。スタグネーション(景気の停滞) とインフレーションを組み合わせてつくられた用語。
恐慌の始まりと各国の対策
世界最初の恐慌はイギリスで始まり、19世紀の同国でほぼ10年の周期で恐慌が発生していた。
景気変動は、資本主義経済では、さけられないとされる現象だが、今日では世界の多くの国が景気対策(景気調整政策)に乗り出し、急激な不景気(恐慌)などは起こらないように努力している。
【対策問題】景気変動
次の図と資料を見て、次の問いに答えなさい。
<図>
<資料>
(1)資料の( )に当てはまる語句を書きなさい。
(2)資料の文中の下線部a,bは、図中のA~Cのどの時期にあてはまるか。それぞれ選び、記号で答えなさい。
(3)様々な商品の価格を総合して平均したものを何というか。
(4)(3)が上がり続ける現象を何というか。
(5)(3)が下がり続ける現象を何というか。
(6)企業は、商品が売れないとき従業員の削減を行うことがある。このような対応のことを何というか。カタカナで答えなさい。
(7)企業が海外の企業と競争し、安くて良いものを多くの国で売るために求められる貿易のあり方を漢字4文字で答えなさい。
(8)日本では1980年代から起こり始めた、企業が生産拠点を海外に移したことで、国内産業が衰退する現象を何というか。
【解答】景気変動の定期テスト
(1)景気変動
(2)a:A b:C
(3)物価
(4)インフレーション
(5)デフレーション
(6)リストラ
(7)自由貿易
(8)産業の空洞化
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