中3理科の「ボルタの電池」亜鉛と銅板にうすい硫酸を入れる実験についてまとめています。入試でもよく出る実験の1つです。しっかり理解していきましょう。ボルタ電池のしくみからです。それでは、中3理科の「ボルタの電池」亜鉛と銅板にうすい硫酸を入れる実験です。
ボルタの電池のしくみ
うすい硫酸に+極として銅板、-極として亜鉛板を使った電池をポルタの電池といいます。起電力は約1ボルト(V)で、電流は 銅板から導線を通って亜鉛板のほうに流れ、銅板の表面には水素が発生します。
銅と亜鉛では亜鉛のほうがイオンになりやすいです。したがって、導線でつないだ銅板と亜鉛板をうすい硫酸に入れると、亜鉛板から亜鉛が電子を残し、イオンとなってとけ出します。この残った電子が、亜鉛板→導線→銅板と移動して、銅板の表面で、うすい硫酸中の水素イオンに与えられます。
このようにして、つぎからつぎへと電子が移動するので、銅板から亜鉛板の向きに電流が流れます。また、電子をもらった水素イオンは水素原子となり、その水素原子は2個結びついて、水素分子となって銅板付近に発生します。
実験の注意点
銅板と亜鉛板は導線などで接続しているときとしていないときの違いです。いずれにしても、銅板と銅板では気体は発生しません。
接続しているとき
銅板は+極、亜鉛板は-極の電池になります。亜鉛板はゆっくりとボロボロになっていき、銅板から水素が発生します。
(-極) Zn → Zn2+ + 2e-
(+極) 2H2O → H2 + 2OH–
接続していないとき
亜鉛板と硫酸が反応し、水素が発生します。
- Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2
ただし、亜鉛は希硫酸とはよく反応しますが、濃硫酸との反応は遅いです。銅板は濃硫酸や希硫酸とは反応しませんが、熱濃硫酸とは反応し、二酸化硫黄を発生させます。
- Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2
身近な物質から電池をつくる (例)
わたしたちの身近なところに ある物質を用いて、いろいろな電池をつくることができます。
- 木炭を使った電池…備長炭とよばれる木炭を用いて、電池のはたらきをさせることができます。
以上が、中3理科の「ボルタの電池」亜鉛と銅板に薄い硫酸を入れる実験となります。
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