中3理科「生物の成長と細胞のポイント」です。
【ポイント】細胞分裂
1個の細胞が分かれて、2個の細胞になることを、細胞分裂といい、生物のからだをつくるふつうの細胞の分裂を体細胞分裂という。
細胞分裂の順序
細胞分裂は、大きく分けると、間期,前期,中期,後期,終期に分けることができる。
➊間期…細胞分裂が続けておこるとき、核の分裂が終わってから、次の核の分裂が始まるまでの間。細胞分裂を行うための準備がされる期間である。
➋前期…核の中に染色体というひものようなものが見えるようになり、核の形が消える。
➌中期…染色体が細胞の中央に集まり,それぞれが縦に2等分される。
➍後期…2等分された染色体が、分かれてそれぞれ細胞の両極に移動する。
➎終期…移動した染色体はかたまりになり、個々の染色体はしだいに見えなくなって、新しい2個の核ができる。このとき、細胞質も2つに分かれる。細胞質が2分されるとき、植物細胞では、中央にしきりができ, 動物細胞では、細胞膜にくびれができる。
染色体
細胞分裂をしていないときの細胞の核には染色糸と呼ばれるものが散らばっている。細胞分裂が始まると、この染色糸がしだいに糸状になって、はっきり見えるようになり、これが縮まって、太く短い形 になる。この状態のものを染色体という。
染色体は本来、無色透明であるが、酢酸カーミン液や酢酸オルセイン液などの染色液に染まりやすいため、この名がある。また、染色体は生物がもつ特徴(形質)を子に伝えるときに、重要な役割を果たす「遺伝子」をその中に含んでいる。なお、染色体の数や形は、生物の種類によって決まっている。
タマネギの細胞分裂の観察
- 観察には、細胞分裂がさかんなので、タマネギの先端を使用する。
- 観察には、酢酸オルセイン液(酢酸カーミン液)を染色液として用いて、核や染色体が染まるので観察しやすくする。
- 細胞の中心付近には、核が1つある。
- 染色体は、細胞に見られるひも状のもの。
体細胞分裂の順序
- 体に変化が始まる。
- 核の中に染色体が見えてくる。
- 染色体は太く短くなって縦に2つに割れる。
- 染色体は両方に同じように分かれる。
- 染色体がかたまりになり、植物は間にしきりが、動物はくびれができる。
- 新しい2つの細胞になる。
細胞分裂の記述対策
- なぜタマネギの根の先端を使う理由…成長点があり、細胞分裂が盛んだから。
- 切り取った根の先端をうすい塩酸に入れる理由…細胞の活動を止め、細胞一つ一つを離れやすくするため。
- 柄つき針でほぐして酢酸カーミン液をかける理由…核や染色体を赤色に染め、観察しやすくするため。
- カバーガラスをかぶせて、その上からろ紙でおおいかぶせて押しつぶす理由…細胞の重なりを無くし、観察しやすくするため。
- タマネギの根が伸びたり、生物の体が大きくなったりするように、生物が成長する理由…細胞分裂で細胞の数が増え、増えた細胞が大きくなるため。
【ポイント】生殖
生殖は、生物が子をつくり、なかまをふやすはたらきがあります。
・有性生殖…卵と精子など受精なかまをふやす増え方です。
・無性生殖…雄雌に関係なく、受精せずになかまをふやす増え方。
- 分裂…からだが2つに分かれて増える。(例)アメーバなど
- 出芽…からだの一部に突起(芽)ができて、大小に分かれる。(例)コウボ菌、ヒドラ
- 栄養生殖…根、茎、葉の一部から新しい個体ができてふえる。(例)ジャガイモ、オランダイチゴなど。
受精
- 動物の受精…雄の正装でつくられる精子の核、雌の卵巣でつくられる卵の核が合体すること。受精した卵を受精卵といいます。
- 被子植物の受精…花粉の中の精細胞の核と胚珠の中の卵細胞の核が合体すること。
【ポイント】減数分裂
からだをつくっている体細胞から生殖に関わる生殖細胞をつくる細胞分裂で、細胞分裂の後は核の中の染色体の数が半減します。もっと詳しく記述すると、染色体の数がもとの細胞の半分になる細胞分裂で、減数分裂の進み方は、形や大きさが同じで、対になっている染色体が2つに分かれて、分裂したそれぞれの核の中に入ることでおこります。
そして、受精によって子は、親の体細胞の染色体と同じ数の染色体をもつことになっています。
体細胞分裂と減数分裂の違い
- 体細胞分裂…①からだをつくっている体細胞から体細胞をつくる細胞分裂。②細胞分裂の前後で核の中の染色体の数は変化しない。
- 減数分裂…①からだをつくっている体細胞から生殖に関わる生殖細胞をつくる細胞分裂。②細胞分裂の後は核の中の染色体の数が半減する。
減数分裂のしくみ
子は養親から半分ずつの染色体を受けつぐことになります。何代続けて交配しても、同じ形質のものばかりできる場合、その生物はその形質について純系であるといいます。
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