アフリカの学習のポイントは、歴史的背景からまだ独立して間もないので、よく出ててくる国と特産物をしっかりおさえておくだけでいいでしょう。赤道の位置や著名な川や山脈、湖も覚えておきましょう。それでは、中学地理のアフリカ州に関するポイントです。
アフリカ州に関するポイント
- 気候は、赤道を中心に熱帯・乾燥帯・温帯が南北対称に分布。
- 農業は、プランテーションを覚えておく。欧米諸国が開いた特定の商品作物だけを栽培する大規模な企業的な農園農業。
- 南アフリカ共和国…金、ダイヤモンド、レアメタル(希少金属)などの鉱産資源に恵まれ、工業化に成功。かつてアパルトヘイトと呼ばれる黒人などを差別する人種隔離政策
アフリカの歴史
第一世界大戦前の独立国家は4ヶ国でした。古代~16世紀には、エジプト文明や黒人の国が栄えました。
●植民地支配
- 16世紀以降ヨーロッパ人が進出。奴隷貿易もおこなわれ、多くの人が奴隷貿易で連れ去られました。
- 植民地…大部分がヨーロッパ諸国の植民地とされる
●独立後
第二次世界対戦後、独立運動が活発となる。
- 1960年代…多くの国が独立。独立後も旧支配国の影響が大きい。
- 国境…植民地時代に民族宗教などの分布図など関係なく緯線、経線をもとに国境が定められた。
- 現在…民族、宗教の違いによる対立内戦が続く。民族独自の言語を持つが植民地時代の言
- 語が公用語の国もある。
アフリカ州の地形
- 北アフリカには、広大なサハラ砂漠が広がる。
- 地形アフリカ大陸は、南北8000km
- 北アフリカ…世界最大のサハラ砂漠が広がる。東部には世界最長のナイル川が北に流れ地中海に注ぐ。
- 中南アフリカ…赤道直下のコンゴ盆地、東部にキリマンジャロ山、ケニア山。南部にカラハリ砂漠。コンゴ川やニジュール川がギニア湾に注ぐ。
アフリカ州の気候
- 赤道を中心に熱帯・乾燥帯・温帯が南北対称に分布。
- 北アフリカ…大部分が乾燥帯。地中海沿岸は温帯。
- 中南アフリカ…赤道付近は熱帯。その周りは乾燥帯。
- 砂漠化…サハラ砂漠の南側のサヘルを中心に砂漠化。
アフリカの産業
わずかな種類の農産物・鉱産物の輸出に頼っている。
- 農業…輸出用の商品作物を栽培。カカオコーヒーなど
- プランテーション…欧米諸国が開いた特定の商品作物だけを栽培する大規模な企業的な農園農業。
- 放牧…乾燥帯では、らくだ、牛の遊牧がみられる。
南アフリカ共和国
金、ダイヤモンド、レアメタル(希少金属)などの鉱産資源に恵まれ、工業化に成功。かつてアパルトヘイトと呼ばれる黒人などを差別する人種隔離政策をとられていた。なお、黒人と白人との経済格差が残る。
アフリカの経済
ギニア湾に面するコートジボワールやガーナなどのカカオ、ケニアの茶、エチオピアのコーヒーのように、輸出用の農産物がさかんに栽培されています。このような農産物を、より適正な価格で取り引きし、生産者の生活を守るフェアトレードの動きが世界中で進められています。アフリカ州は鉱産資源に恵まれています。
南アフリカ共和国の金、ザンビアの銅、ボツワナのダイヤモンド、ナイジェリアの原油などは、各国の重要な輸出品となっています。近年では、スマートフォンの液晶などにも使われるレアメタルが注目されています。
アフリカ州には、特定の農産物や鉱産資源の輸出に頼るモノカルチャー経済となっている国が多くあります。 モノカルチャー経済の国では、農産物の不作で輸出量が減ったり、特定の産物の国際価格が下がったりすると、輸出によって得られる収入が減って国の経済が打撃を受けます。そのため、国の収入が安定しづらいという問題があります。近年は、広大な土地を購入した外国企業が、開発のため、その土地に暮らしていた人々を追い出すなどの問題も起こっています。
埋蔵量がきわめて少ないか、費用や技術の面で金属として取り出すことが難しい金属のこと。コバルト、マンガン、クロムなどがある。
アフリカ諸国の輸出品
左から1位、2位、3位の順
- エジプト…石油製品・液化天然ガス・原油
- ナイジェリア…原油
- コートジボワール…石油製品・カカオ・原油
- ケニア…茶・装飾用切花・野菜・果実
- 南アフリカ共和国…白金族・鉄鋼・機械類・自動車・石炭
アフリカが抱える課題とその取り組み
アフリカ州の多くの国では、輸出用の農産物の生産に力を入れてきましたが、その一方で、主食となるとうもろこしや米などが十分でない状態が続いています。人口増加や干ばつ、砂漠化などの影響もあり、外国から穀物を輸入している国もあります。アフリカ州では,多くの人々が仕事を求めて農村から都市へ移り住んでいるため、都市に人口が集中しています。過度に人口が集中した都市部では、スラムの形成などの問題が起こっています。
アフリカ州では、携帯電話・スマートフォンの利用者が増えており、モバイル送金サービスが急速に普及しています。近年は、非政府組織 (NGO) による支援活動も行われており、道路・水道などが整備されています。
国際連合などの国際機関と協力関係にある民間組織。貧困、飢餓、紛争, 環境破壊,災害など、世界で起こっているさまざまな課題に取り組んでいる。
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