「世界の農業」のまとめです。世界には、気候や地形、歴史的背景によって異なる農業の形があります。それぞれの地域でどのような作物が育てられ、どのような方法で農業が行われているのでしょうか?中間テストや期末テストでは、地域ごとの農業の特徴がよく出題されるポイントです。この記事では、アメリカやヨーロッパ、アジアなど、各地域の農業の特徴をわかりやすくまとめました。テスト対策として重要なところをしっかり押さえて、得点アップを目指しましょう!
世界の農業の地域ごとの特徴まとめ
地域 | 農業の特徴 | 主な作物・産業 |
---|---|---|
北アメリカ | 機械化が進んだ大規模農業 | – 中西部:トウモロコシ – 大平原:小麦 |
ヨーロッパ | 畑作と牧畜が中心 | – 西ヨーロッパ:酪農、穀物栽培 – フランス:ブドウ – オランダ:酪農 – 東ヨーロッパ:小麦、トウモロコシ |
アジア | 稲作が中心(特に東南アジア)、その他小麦や大豆の生産も重要 | – 東南アジア:米 – 中国・インド:米、小麦、大豆 |
アフリカ | 地域ごとに異なる農業が展開 | – 北部:オリーブ、柑橘類 – サハラ以南:キャッサバ、ヤムイモ – 輸出品:コーヒー、カカオ |
南アメリカ | 大豆やサトウキビの大規模生産、放牧が盛ん | – ブラジル:大豆、サトウキビ – アルゼンチン:牛の放牧、牛肉輸出 |
- 北アメリカ…アメリカ合衆国とカナダは、機械化が進んだ大規模農業が特徴です。中西部ではトウモロコシ、大平原では小麦が大量に生産されています。
- ヨーロッパ…ヨーロッパは畑作と牧畜が中心です。西ヨーロッパでは、酪農や穀物栽培が盛んで、フランスのブドウ園やオランダの酪農が有名です。東ヨーロッパでは、広大な平野で小麦やトウモロコシが栽培されています。
- アジア…東南アジアでは、稲作が主要な農業形態です。気候が温暖で降水量が多いため、水田が広がり、米の生産が盛んです。一方、中国やインドでは、米に加えて小麦や大豆の生産も重要です。
- アフリカ…アフリカでは、地域ごとに異なる農業が見られます。北部の地中海沿岸ではオリーブや柑橘類、サハラ以南ではキャッサバやヤムイモが主食として栽培されています。コーヒーやカカオも重要な輸出品です。
- 南アメリカ…ブラジルでは大豆やサトウキビの大規模生産が盛んです。アルゼンチンでは牛の放牧が主要な農業形態で、牛肉の輸出が経済を支えています。
より詳しく、テストに出るところを見ていきましょう!
アメリカ合衆国の農業
労働者を雇い大型機械を使用して大規模に栽培。自然条件や社会条件に適した作物を栽培(適地適作)。大規模に栽培すると生産にかかる費用は安くなる。
- 小麦…プレーリーからグレートプレーンズにかけた地域で小麦の栽培。
- トウモロコシ…中央平原北部のオハイオ州からアイオワ州にかけて栽培。大豆の生産も盛ん。
- 酪農…五大湖の周辺。
- 綿花…南部一帯から東部。大豆や落花生の栽培。
- 地中海式農業…カリフォルニア州を中心にぶどう、オリーブ、オレンジなどを栽培。
アメリカは、世界の食料庫で、小麦・トウモロコシ・大豆などを大量に生産し、世界各地に輸出している。アメリカ合衆国で生産された農作物は世界各地に輸出。
ヨーロッパの農業
- 混合農業…北部・西部では穀物・飼料作物の栽培と家畜の飼育を組み合わせた混合農業が発達。
- 地中海式農業…地中海沿岸では夏はオリーブ、ぶどうなどの果樹。冬は小麦を栽培する地中海式農業を行う。
フランスの農業
フランスはEU最大の農業国。小麦の生産量・輸出量は世界有数(どちらも5位)。
オランダの農業
園芸農業が盛んで、酪農によりチーズなどを生産。
イタリアの農業
地中海式農業は、ぶどう、オリーブは世界有数の生産。
アジア州の農業
アジア州の農業は地域ごとに多様です。特に東南アジアでは、稲作が非常に重要です。温暖な気候と豊富な降水量のおかげで、田んぼで米が多く生産されています。例えば、タイやベトナムは米の主要輸出国です。
中国では、稲作とともに小麦の栽培も盛んです。北部の寒冷な地域では小麦、南部の暖かい地域では米が主に栽培されています。また、中国は野菜や果物の生産も多く、世界最大の農産物生産国です。
インドでは、米と小麦の他に、多種多様な作物が栽培されています。特に、紅茶や綿花、サトウキビの生産が盛んです。また、モンスーン(季節風)による降水が農業に大きな影響を与えます。
全体的に、アジアの農業は労働集約型で、多くの人々が農業に従事しています。また、農業技術の進展や灌漑(かんがい)システムの導入により、収穫量が増加し続けています。
中国の農業
世界最大の人口をもつので、食料生産量は世界有数の大国です。米と小麦の生産量は世界第一で、とうもろこしも、世界有数です。東部の平野部でさかん。
- 華北地方では、寒冷な気候のため畑作が中心で、小麦や大豆などの生産。
- 華中地方では、温暖多雨な気候で稲作が中心で、米の生産。
1970年代後半から、一定量を政府に納め、残りを自由市場で売ることができる生産責任制を導入。これによって、農民の生産意欲が高まり、生産は大きく増加しました。その結果、万元戸とよばれる裕福な農家も現れました。
韓国の農業
かつては、稲作を中心とする農業が産業の中心でした。とくに1970年ごろからセマウル運動という農村の近代化運動が進むと、農業生産力は大幅に伸びました。
タイの農業
タイは、古くから稲作を中心とする農業がさかんで、チャオプラヤ川流域では、雨季に川が増水し洪水のようになります。これを利用して、浮稲とよばれる茎の長い稲が栽培されていましたが、現在ではかんがい設備の発達で、浮稲の栽培は減っています。
米はタイの重要な輸出品の1つで、輸出量は世界有数です。このほか、鶏肉や水産物の輸出も多いです。
インドネシアの農業
インドネシアの農業は、植民地時代からプランテーション(大農園)による天然ゴムやパーム油などの生産が中心です。また高温多雨な気候を生かして稲作もさかんです。
ベトナムの農業
ベトナムは、南部の大河メコン川下流に広がるメコンデルタ地帯では、高温多雨な気候を利用して、古くから稲作がさかんです。
インドの農業
インドでは、ガンジス川の下流域では、高温多雨の気候を生かして稲作がさかんです。また、乾燥したデカン高原は、世界的な綿花の栽培地です。また、北東部のアッサム地方では、山の斜面を利用した茶の栽培で知られています。
パキスタンの農業
綿花は、世界的な生産量・輸出量をほこります。
ネパールの農業
イギリスの植民地時代から「セイロンティー」とよばれる茶の栽培がさかんです。
オーストラリアの農業
- 牧羊…降水量が少ない地域。堀り抜き井戸を利用。
- 牧牛…比較的降水量が多い地域。
- 酪農…温暖湿潤気候で人口が多い南東部。
- 小麦と羊を組み合わせた農業…降水量の多い地域。
- さとうきび…高温多雨の北東部の海岸地域。オーストラリア自然環境に合わせて農牧業を行っている。
ブラジルの農業
ブラジルは、南アフリカ大陸の約半分を占める。農業は、コーヒー・サトウキビの栽培がさかん。コーヒーの生産量・輸出量世界一。さとうきびを原料としてバイオエタノールを生産。
アフリカの農業
農業は、輸出用の商品作物を栽培。カカオコーヒーなど。プランテーションでは、欧米諸国が開いた特定の商品作物だけを栽培する大規模な企業的な農園農業。
コメント