「露点・湿度の計算の仕方」についてのまとめです。この単元では、飽和水蒸気量と気温のグラフから、露点、湿度を求めたり、気温・湿度・露店グラフから求めさせたり、グラフに関する出題が多いです。また、雲のでき方を実験で問う問題、湿度の計算問題もよく出ます。そのあたりをみていきましょう。それでは、中2理科の「露点・湿度の計算の仕方」についてのまとめです。
露点
露点とは飽和水蒸気に達したときの温度のことです。
- 飽和…限度いっぱいまで水蒸気を含んだ状態。
- 飽和水蒸気量…空気1m3に含むことができる水蒸気の最大量。単位はg/m3で、気温が高いほど大きい。
- 露点…空気中の水蒸気の一部が凝結し始める温度。気体から液体になるときで、空気中の水蒸気量が大きいほど多い。
湿度
湿度は、空気の湿り具合。単位はパーセント(%)。
湿度の計算
- 湿度(%)=(空気中に含まれる水蒸気量(g/m3)/そのときの気温の飽和水蒸気量(g/m3))×100
<練習問題>
1m3中に10.4gの水蒸気を含む20℃の空気の湿度は何パーセントか。20℃の空気の飽和水蒸気量は17.3g/m3である。
<解説・解答>
先ほどの公式に与えられた数値をそのままあてはめると、
(10.4÷17.3)×100=60.1
乾湿計と湿度
乾球の示度と乾球と湿球の示度の差を湿度表にあてはめる。湿度が低いほど乾球と湿球の示度の差が大きい。
湿度の性質・変化
気温が高いほど湿度低く、気温が低いほど湿度高い。
- 晴れの日…気温が高くなると湿度は低くなり、気温が低くなると温度は高くなる。気温と湿度は反対の変化。
- 雨の日…普通、湿度は高いのであまり変化しない。
雲のでき方
雲の正体は小さな水滴や氷の結晶である.
- 空気中のかたまりが上昇。
- 上空の気圧が低いため、空気のかたまりが膨張(断熱膨張)し、温度が下がる。
- 露点に達して、水蒸気が凝結し、水滴や氷の結晶になる。
- こうして、雲ができる
雲ができる条件
雲ができるためには、空気が上昇することを(上昇気流)が絶対必要である。上昇気流が生じるところとして、地面が強く熱せられたとき、低気圧の中心付近、空気が高い山を越える時、前線付近があります。
雨のでき方
- 雲を作る水滴や氷の結晶が溶けて落下する。
- 氷の結晶が溶けないで落下する。(雪やひょう)
露と霧
➊露…空気中の水蒸気が凝結して付着したもの。水蒸気が直接、氷の結晶になると霜。
➋霧…空気中の水蒸気が凝結して空気中に浮かんでいるもの.
湿度の定期テスト対策予想問題1
[問題]下の表は、気温と飽和水蒸気量との関係を示したものである。現在の教室内の気温は20℃で、空気1m³中に11.4gの水蒸気が含まれている。次の各問いに答えよ。
気温[℃] | 飽和水蒸気量[g] |
10 | 9.4 |
11 | 10.0 |
12 | 10.7 |
13 | 11.4 |
14 | 12.1 |
15 | 12.8 |
16 | 13.6 |
17 | 14.5 |
18 | 15.4 |
19 | 16.3 |
20 | 17.3 |
- この空気は、1m³あたりあと何gの水蒸気を含むことができるか。
- 教室の体積が200m³だったとすると、あと何gの水蒸気を含むことができるか。
- このときの教室内の湿度は何%か。小数第2位を四捨五入して求めなさい。
- この空気を冷やしていったとき、水滴が生じ始めるのは何℃になったときか。
- 3の温度をこの空気の何というか。
- 教室の空気を冷やして11℃にしたとき、教室200m³全体で何gの水滴が生じるか。
- 教室の気温と湿度が変化し、気温が12℃、湿度が60%になったとき、空気1m³中に含まれている水蒸気は何gか。小数第2位を四捨五入し求めなさい。
- 教室の気温と湿度が変化し、気温が18℃で露点が10℃になった。このときの空気の湿度は何%になるか整数で求めよ。
湿度の定期テスト対策予想問題解答・解説1
- 5.9g
20℃の飽和水蒸気量(最大含める水蒸気量)が17.3gなので、
17.3g-11.4g=5.9g - 1180g
空気1m³中にあと5.9gの水蒸気が入るので、教室200m³中には、
5.9g×200m³=1180g - 65.9%
湿度は飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合なので、実際の水蒸気量÷飽和水蒸気量を求めて100倍にすることで求められる。
11.4÷17.3=0.6589…
0.6589×100=65.9% - 13℃
実際に含まれている水蒸気量は、空気1m³あたり11.4gなので、表で11.4gが飽和水蒸気量になっている気温を探すと13℃になる。この空気を13℃まで冷やすと水蒸気が凝結し、水滴が生じ始める。 - 露点
水蒸気が凝結し、水滴に変わり始める温度を露点という。 - 280g
空気1m³中に11.4gの水蒸気を含む教室の空気を11℃まで下げると、飽和水蒸気量が10.0gになるので、
11.4g-10.0g=1.4g
空気1m³あたり1.4gの水滴が生じる。教室の体積は200m³なので、
1.4g×200m³=280g
教室全体で280gの水滴が生じることになる。 - 6.4g
12℃の飽和水蒸気量は表より10.7g。湿度は飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合なので、この空気中に含まれる水蒸気量は、
10.7g×60%=6.42g
したがって、水蒸気量は6.4gとなる。 - 61%
気温が18℃なので、飽和水蒸気量は15.4g。露点が10℃ということは、10℃の飽和水蒸気量より9.4gの水蒸気が含まれていることがわかる。
9.4÷15.4=0.610…
0.610×100=61%
湿度の定期テスト対策予想問題2
次の問いに答えよ。ただし、( )には適語を入れよ。
- 飽和水蒸気量とは空気1m3に含むことのできる( )である。
- 飽和水蒸気量は気温が低くなると( )くなる。
- 空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変わる温度を( )という。
- 湿度とは空気の湿りけのことで、空気中の水蒸気量が( )に対してどのくらいの割合かを%で示す。
- 1m3の空気中に含まれる水蒸気量は( )の飽和水蒸気量と等しい。
- 気温が同じなら空気中に含まれ水蒸気量が多いほど湿度は( )くなる。
- 空気中に含まれる水蒸気量が同じなら、気温が高いほうが湿度は( )くなる。
- 空気中の水蒸気が凝結し、水滴になる温度を何というか。
- 空気のしめりぐあいを何というか。
- 湿度(%)を求める公式を書け。
湿度の定期テスト対策予想問題解答2
- 最大の水蒸気の量
- 小さ
- 露点
- 飽和水蒸気量
- 露点
- 高
- 低
- 露点
- 湿度
- 湿度=空気1立方メートル中に含まれる水蒸気量÷そのときの気温での飽和水蒸気量×100
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