「日本の工業地帯・地域」のまとめです。それぞれの地方・地域での工業地帯や地域の特色とその位置をつかむことが必要です。工業は、なんらかの形で必ず出題されるのでしっかり学習しましょう。それでは、高校入試対策・社会「日本の工業地帯・地域」のまとめをみていきましょう。
日本の工業のポイント

太平洋ベルト
1973年、産油国の輸出制限によって石油価格が急上昇し、先進工業国で石油危機とよばれる経済の大混乱がおこった。日本でも石油化学などの工業は大きな打撃を受けた。いっぽう、自動車や電気機器などの加工組み立て型の工業は、エネルギー消費の少ない自動車や品質のよい家電製品 の開発に力を注いで立ち直し、輸出を増やしていった。
1980年代になると、自動車や半導体などの輸出がいっそう拡大し、日本の貿易収支は大はばな黒字になった。この結果、欧米との貿易摩擦が深刻になり、欧米諸国は日本に 輸入を増やすように要求した。このため、日本の企業は欧米諸国に工場をつくり、現地の人々を雇うなどした。
北九州工業地帯
鉄鋼中心から機械工業へ転換した。八幡製鉄所を中心に鉄鋼業が発達。1970年代以降生産量が減少。地位も低下。
- 機械工業…九州各県がIC工場・自動車工場誘致。
- IC工場…1970年代から工場が進出。シリコンアイランド。
- 自動車工業…大きな自動車会社が工場を建設。労働力を得やすく、中国に輸出しやすいため。
瀬戸内工業地域
海上交通の便が良い瀬戸内海沿岸に形成。
- 製鉄所…倉敷・福山など。
- 石油化学コンビナート…水島(倉敷市)、徳山(周南市)、新居浜など。
瀬戸内工業地域は化学工業の割合が高いのが特徴。
阪神工業地帯
- 工業…姫路から堺・和歌山にかけて阪神工業地帯。阪神工業地帯は、戦前はせんい工業。現在は医薬品・化学品工業が生産の中心。中小工場が多い。
- パネルベイ…大阪湾沿岸で液晶パネル・太陽電池などを生産する新しい工場がつくられた地域。
- 伝統工芸…多くの伝統的工芸品が現在に受け継がれている。
中京工業地帯
日本最大の工業生産額。
- 中京工業地帯…名古屋市を中心に輸送用機械をはじめとする機械工業が盛ん。四日市に石油化学コンビナート、東海市に製鉄所など。
東海工業地域
浜松で楽器・オートバイ。富士で製紙など。
- 中央高地…電子部品・IC集積回路の工場が多い。
- 北陸…金属・化学工業のほか、各地に伝統産業・地場産業。
京浜工業地帯
工業は、日本の工業生産額の約3割を占める京浜工業地帯。東京湾岸部を中心に広がる機械工業の割合が高く、東京都には出版印刷業が集中。京浜工業地帯の全国の工業生産額に占める割合は近年低下。
北関東工業地域
機械工業が発達。埼玉・群馬・栃木・茨城に工業団地が点在。
東北地方の工業
工業は、伝統産業のほか電子機械工業なども発達。
- 伝統産業…津軽塗(青森県)、会津塗(福島県)、天童将棋駒(山形県)、南部鉄器(岩手県)など伝統的工芸品。
- 新しい産業…東北自動車道に沿った地域を中心に多くの工業団地。IC、半導体、電子機械工業などが発展。
北海道地方の工業
地元で生産された農産を加工する食品工業が発達。現地の木材を原料とする製紙工場もある。
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