中1理科「気体の性質と発生のポイントまとめ」です。
【ポイント】気体の性質
酸素
- 酸素原子…O
- 化学式…O2
- 性質…無色無臭で、水に溶けにくい。空気よりわずかに重い。
集め方…水上置換法 - 酸素の判別法…線香の火を近づけると炎をあげて激しく燃える。酸素自体は燃えませんが、他の物質が燃えるのを助けるはたらき(助燃性)があります。
- 酸素の発生方法…二酸化マンガンにうすい過酸化水素水(オキシドール)を加える。また、ジャガイモや切り傷などにオキシドールをかけても発生します。
酸素と電気分解
水酸化ナトリウムを溶かした水を簡易電気分解装置に入れ電流を流すと、陽極から酸素O2、陰極から水素H2が発生します。
水酸化ナトリウムを溶かした水を簡易電気分解装置に入れ電流を流すと、陽極から酸素O2、陰極から水素H2が発生します。
酸素と電子
電子というマイナスの電気を帯びた粒子で、空気中の酸素や窒素原子と電子が衝突することで、青い光の線が見えるのです。
電子というマイナスの電気を帯びた粒子で、空気中の酸素や窒素原子と電子が衝突することで、青い光の線が見えるのです。
酸素と還元
還元とは、酸化物から酸素をとり去る化学変化です。
還元とは、酸化物から酸素をとり去る化学変化です。
酸素と細胞の呼吸
細胞の呼吸に必要な物質は「酸素」とブドウ糖や脂肪のような「養分」です。エネルギーを生み出すためには、血液が運んできた酸素と養分を結びつけます。
細胞の呼吸に必要な物質は「酸素」とブドウ糖や脂肪のような「養分」です。エネルギーを生み出すためには、血液が運んできた酸素と養分を結びつけます。
二酸化炭素
- 化学式…CO2
- 性質…無色無臭で、水に、少し溶ける。空気より重い。
- 集め方…水上置換法か下方置換法
- 二酸化炭素の判別法…石灰水に通すと石灰水が白くにごる。
- 二酸化炭素の発生方法…炭酸カルシウムが主成分の石灰石などに酸性の水溶液であるうすい塩酸を加える。
二酸化炭素と有機物
黒く焦げ、二酸化炭素が発生する物質が有機物、焦げずに二酸化炭素も出さない物質が無機物
二酸化炭素と呼吸
ヒトのように肺呼吸する動物は、肺に空気を入れたり吐き出したりして空気中の酸素と、血液中の二酸化炭素を交換しています。
二酸化炭素と環境問題
クリーンなエネルギー資源は、地球環境を悪化させる二酸化炭素や窒素酸化物を出さないエネルギー。
- 太陽光発電(太陽電池):太陽光を利用して電気を蓄える仕組み。クリーンで枯渇しない。
- 風力発電:風の力でタービンを回して電気エネルギーを得る仕組み。
- ごみ発電:化石燃料の代わりにゴミを燃やす火力発電。
- 燃料電池:水素と酸素の化学反応から電気を取り出す仕組み。発生する物質が水だけなのでクリーンである。
- バイオマス発電:さとうきびやとうもろこしなどを発酵させて作ったエタノールなどのバイオマス(生物資源)を利用して発電する方法。
- 地熱発電:地下のマグマの熱エネルギーを利用する発電方法。
二酸化炭素の循環
空気中に存在する、二酸化炭素CO2を、植物である生産者が光合成のはたらきで取り入れ、有機物のデンプンにつくりかえます。この有機物中の炭素Cが、食物連鎖によって生物間を移動します。
空気中に存在する、二酸化炭素CO2を、植物である生産者が光合成のはたらきで取り入れ、有機物のデンプンにつくりかえます。この有機物中の炭素Cが、食物連鎖によって生物間を移動します。
水素
- 発生方法…亜鉛や鉄に、うすい塩酸やうすい硫酸を加える。
- 性質…無色、無臭で非常に軽い。気体中で最も軽いです。水にとけにくい。点火するとうすい炎をあげて燃え、水になります。
アンモニア
- 発生方法…(1)アンモニア水を熱する。(2)塩化アンモニウムと水酸化カルシウム(消石灰)の混合物を熱します。
- 性質…無色で鼻をつくにおいがあり、空気より軽い。水に非常によく溶け、水溶液であるアンモニア水は、弱いアルカリ性を示します。
アンモニアの噴水実験
水を押し出すとアンモニアが水に大量に溶け、容器内の気圧が下がり、液が吸い上げられます。フェノールフタレイン溶液を加えた水は酸性・中性では無色、アルカリ性で赤色を示します。アンモニアはアルカリ性ですので、赤く染まります。
水を押し出すとアンモニアが水に大量に溶け、容器内の気圧が下がり、液が吸い上げられます。フェノールフタレイン溶液を加えた水は酸性・中性では無色、アルカリ性で赤色を示します。アンモニアはアルカリ性ですので、赤く染まります。
塩素
- 発生法…塩酸や塩化銅を電気分解すると陽極に発生する。
- 性質…色は、黄緑色で、水によく溶けて酸性です。殺菌作用もあります。
- 漂白作用…赤インクをしみ込ませたろ紙を近づけると、色が抜けて白くなる。
いろいろな気体の発生方法
水素の発生法
亜鉛やマグネシウムなどの金属に、うすい塩酸などの強い酸を加える。
酸素の発生法
二酸化マンガンにうすい過酸化水素水(オキシドール)を加える。
二酸化炭素の発生法
炭酸カルシウムが主成分の石灰石などに酸性の水溶液であるうすい塩酸を加える。
アンモニアの発生法
塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜて熱する。アンモニア水を加熱する。
塩素の発生法
塩酸や塩化銅を電気分解すると陽極に発生する。
その他の発生方法
- 酸素の発生法…ジャガイモや切り傷などにオキシドールをかけても発生
- 二酸化炭素の発生法…他に卵の殻や貝殻、チョーク、コンクリートにうすい塩酸や酢酸などを加えても発生
まとめ
気体 | 色 | におい | 密度 | 水に対する溶け方 | その他の性質 |
---|---|---|---|---|---|
アンモニア | ない | 特有の刺激臭 | 0.72 | 非常に溶けやすい(水溶液はアルカリ性) | 水でぬらした赤色リトマス紙を近づけると青色になる |
水素 | ない | ない | 0.08 | 溶けにくい | 火をつけると爆発して燃え、水滴ができる |
塩素 | 黄緑 | 特有の刺激臭 | 3.00 | 溶けやすい(水溶液は酸性) | 漂白、殺菌作用 |
塩化水素 | ない | 特有の刺激臭 | 1.53 | 非常に溶けやすい(水溶液は酸性) | 水でぬらした青色リトマス紙を近づけると赤色になる |
【ポイント】気体の集め方
- 水上置換法…水に溶けにくい気体を集める方法
- 下方置換法…水に溶けやすく空気よりも重い(密度が大きい)という性質のある気体を集める方法
- 上方置換法…水に溶けやすく空気よりも軽い(密度が小さい)という性質のある気体を集める方法(アンモニアだけと覚えておきましょう)
気体の見分け方
気体は、水溶液の性質、においなどで見分けます。
- 水に溶ける気体…アンモニア、二酸化炭素、二酸化硫黄
- 水に溶けにくい気体…酸素、水素、窒素
- 水溶液が酸性の気体…二酸化炭素、二酸化硫黄
- 水溶液がアルカリ性の気体…アンモニア
- 空気より軽い気体…水素、アンモニア、窒素
- 空気より重い気体…二酸化硫黄、二酸化炭素、酸素
- においがない気体…二酸化炭素、酸素、水素、窒素
- においがある気体…アンモニア、二酸化硫黄
【対策問題】中1理科「気体の発生と性質のテスト対策問題」
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