中1理科の「火山・溶岩と火成岩(斑状・等粒状組織など)」のまとめです。火山活動は、単独での出題は少ないですが、火成岩と結びついたマグマの性質や火山の形ともに出題されることもあります。火成岩の特徴とグラフによる分類や火山岩・深成岩のつくりと成因の関係は必須事項です。
火山
マグマと溶岩とはしっかり区別しておくことが大事です。
- 火山…高温の液体状のマグマが地殻の割れ目から地上に出て作った山の総称。
火山の噴出物
火山が噴火する時の吹き出すもの。
- 火山砕せつ物…火山弾、火山れき、火山灰。
- 溶岩…マグマが地表に出たもの。温度は900~1200℃
- 火山ガス…主成分は、水蒸気。他に、硫化水素・二酸化炭素・二酸化硫黄など
溶岩
ねばりけ大きいとと溶岩ドームになり、ねばりけが小さいと楯状火山になります。
二酸化ケイ素の含まれ方によって決まる。
- ねばりけが強い溶岩…二酸化ケイ素が多い。湿度は低い。固まると白っぽい岩石になる。
- ねばりけが弱い溶岩…二酸化ケイ素が少ない。温度は高い。固まると黒っぽい岩石になる。
火山の形

火山の形
このような火山の形は、おもに溶岩の性質によって決まります。 このほか、噴火のしかたや溶岩以外の噴出物などにも大きく影響されます。
- 溶岩のねばりけ大きい(溶岩ドーム)…昭和新山、焼岳
- 溶岩のねばりけ中間(成層火山)…桜島、浅間山
- 溶岩のねばりけ小さい(小盾状火山)…マウナロア
<無色鉱物(白っぽい鉱物)>
- 石英(セキエイ)…無色透明か白色で、ガラス質の鉱物。たたくと不規則に割れる。
- 長石…白色かうすい桃色で、ほとんどの岩石に含まれる。たたくと一定方向に割れる。
<有色鉱物…黒っぽい鉱物>
- カンラン石…緑褐色で、丸みのあるガラス状の鉱物。
- 輝石…暗緑色で、短い柱状か短冊状。
- カクセン石…緑黒色で、長い柱状か針状。
- クロウンモ…黒色で、うすくはがれる。
溶岩円頂丘(溶岩ドーム)とよばれ、マグマのねばりけの多い(強い)溶岩が噴出(火山ガス)し高くもり上がった形(おわん型)の火山です。日本にたくさんあります。<例>焼岳・大山・昭和新山・雲仙普賢岳・平成新山など
- 火山ガス…火山ガスの大部分は、水蒸気で、そのほかに、二酸化炭素や二酸化硫黄が含まれる。
富士山に代表されるような形の火山で、日本にはこの例が多いです。一般に火口が1つで、溶岩と火山れきや火山砂・火山灰などが交互に噴出し、層状に積み重なってできます。山頂付近の傾斜は急で、ふもとはゆるい傾斜で広くなっています。<例>富士山・岩木山・羊蹄山など
流れやすい溶岩の噴出を主とするおだやかな噴火の場合は、火口から出た溶岩が周囲に広がり、平たい形の火山になります。その形が盾をみせたようになるので、たて状火山といいます。<例>霧ケ峰・マウナロア・キラウエアなど
広い地域にたくさんの火口があり、そこから流れやすい多量の溶岩を噴出してできます。火山の中では最も規模が大きく、インドのデカン高原では、厚さ2000m、広さ50万kmにもなっています。
爆発によってできた大きな火口や頂上部が落ちこんでできた大きなくぼ地(カルデラ)の中に新しい火山(中央火口丘)ができたものを、二重式火山といい、中央火口丘の中にさらに火山ができたものを三重式火山といいます。このような火山をまとめて複式火山といいます。カルデラをとりかこむまわりの高い部分を外輪山といいます。 カルデラに水がたまったものがカルデラ湖です。<例>箱根山・阿蘇山など
火山の分布は、世界でも、日本でも特定の地域に限られています。これは 一般に細長い帯状の地域に集まっているので火山帯といいます。火山帯は、マグマのできやすい場所と考えられ、地球内部ではげしい活動が行われているところで、地震帯とほぼ一致しています。
火成岩
マグマはゆっくりと冷えると、大きな鉱物の結晶(斑晶)になるが、急に冷えると大きな鉱物の結晶になれません。
- 火山岩…マグマが地表または地表近くで急に冷え固まった岩石。大きな結晶になれなかった石基に、斑晶が散らばったつくりをしています。斑状組織といいます。
- 深成岩…マグマが地下深くでゆっくり固まってできた岩石です。同じくらいの大きさの結晶のみでできたつくりになっています。等粒状組織といいます。
- 斑レイ岩…深成岩の中でも、無色鉱物の長石、有色鉱物の輝石、カンラン石でできており、有色鉱物の割合が多い黒っぽい岩石を斑レイ岩といいます。
- 凝灰岩…凝灰岩は、火山灰や軽石など火山噴出物が降り積もってできる岩石です。
- 石灰岩…生物の死がいが固まってできる石灰岩に、うすい塩酸を加えると二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムに塩酸を加えると二酸化炭素が発生します。
火山の噴火
凝灰岩や火山灰、軽石などが見つかると、過去に火山の噴火があったことがわかります。
かぎ層
地層のつながりや広がりを知る手掛かりになる地層をかぎ層といいます。かぎ層になる地層は、化石を含む地層や火山灰や凝灰岩などを含む地層があります。
鉱物の色
- 無色鉱物…無色あるいは、白色の鉱物。セキエイ、チョウ石。
- 有色鉱物…無色鉱物にあてはまらないもの。クロウンモ、カクセン石、キ石、カンラン石。
火山の練習問題
【問1】( )に適語を入れよ。
- 地下にある岩石が高温のためドロドロに溶けた物質を( )という。
- 火山の地下数キロメートルのところには、地下深くから上昇してできたマグマが一時的に蓄えられる( )が見られる。
- 深いところにあるマグマが上昇して浅いところにくると溶けきれなくなった水や( )などの気体成分が気泡として出始めて噴火が起こる。
- ( )の大部分は水蒸気で、その他に二酸化炭素二酸化硫黄などが含まれる。
- ( )は粒の直径が2ミリ以下の噴出物。
- ( )は粒の直径が火山灰より大きい噴出物。
- ( )は吹き飛ばされたマグマが空中で固まったもの。
- ( )はマグマが地表に流れ出たもの。
- ( )は白っぽく軽い噴出物。マグマが気体成分から抜け出した後が穴になって残っている。
- ねばりけの弱いマグマから出た火山灰や岩石は( )色になることが多い。
- ねばりけの強いマグマからできた火山灰や岩石は( )色になることが多い。
- 火山の噴火によって噴出する、マグマが冷えて固まったものを( )という。
- 火山の噴火によって噴出する、大きさが2mm以下の細かい溶岩の破片を( )という。
- 火山の噴火によって噴出する、大きさが2~64mmの溶岩の破片を( )という。
- 火山の噴火によって噴出する、特有の形や模様をもつ岩石を( )という。
【問2】次の問いに答えよ。
- マグマが冷えて固まってできた岩石を何というか。
- マグマが地表や地表近くで、急速に冷えて固まってできた岩石を何というか。
- マグマが地下深くで、ゆっくりと冷えて固まってできた岩石を何というか。
- 火山岩に見られる、大きな結晶を何というか。
- 火山岩に見られる、結晶ににれなかった小さな部分を何というか。
- 大きな結晶や小さな粒子が混在する、火山岩のつくりを何組織というか。
- よく発達した大体同じ大きさの結晶がすきまなく並ぶ、深成岩のつくりを何という組織か。
- 有色鉱物を多く含む、黒っぽい火山岩は何か。
- 有色鉱物を多く含む、黒っぽい深成岩は何か。
- 御影石とも呼ばれる、白っぽい深成岩は何か。
【問3】火山岩について調べる観察・調査を行った。次の手順と結果を読み、次の問に答えなさい。
- サンプルとした3種類の火山岩A~Cの表面のようすを調べた。
- 1のうち火山岩のうち、火山岩Aの表面のようすを、図のようにスケッチして、つくりをくわしく調べた。
- 火山岩A~Cを、見た目の色合いによって分類した。
<図>
<結果>
- 火山岩Aは、比較的大きな鉱物の結晶であるXが、粒のよく見えない部分であるYの中に散らばったつくりをしていた。
- 見た目の色合いによる分類は、(白っぽい色)B→A→C(黒っぽい色)となった。
(1)自然にある火山岩の表面は凹凸があったり、色がついていたりして、そのつくりが観察しにくい。火山岩のつくりを観察するためのサンプルには、そのつくりが観察しやすいように加工がされている。どのような加工がされているか。簡潔に書け。
(2)火山岩Aのつくりについての文です。(ア)(イ)に適切な語句を入れよ。
(3)図のX,Yができた順序について述べた文として最も適切なものを次の1~4より選べ。
- 地下深くでxができたあとに、地表付近でYができた。
- 地下深くでYができたあとに、地表付近でxができた。
- xとYは、地下深くでほぼ同時にできた。
- xとYは、地表付近でほぼ同時にできた。
(4)火山岩Bをつくっている鉱物の粒についてくわしく調べたところ。その種類と割合は、花こう岩とよばれる深成岩とほぼ同じであることがわかった。このことからわかる火山岩Bの名称として最も適切なものを1~4より選べ。
- 玄武岩
- 流紋岩
- 安山岩
- はんれい岩
【問4】地球の内部の熱によって岩石がとけるとマグマができ、そのマグマが地表に噴き出し、冷えて固まってできた山を火山という。火山はその形によっていくつかに分類することができる。図のA~Cは、分類した火山の断面の形を、それぞれ模式的に表したものである。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) 図のBと同じような形をしている火山はどれか。次のアからエから選びなさい。
(2) 図のAの火山について、噴火のようすと火山噴出物の色をCの火山と比較した文として、もっとも適当なものを、次のアからエから1つ選びなさい。
ア:Aの火山は、Cの火山と比べ、噴火は激しい場合が多く、火山噴出物の色は白っぽい。
イ:Aの火山は、Cの火山と比べ、噴火は激しい場合が多く、火山噴出物の色は黒っぽい。
ウ:Aの火山は、Cの火山と比べ、噴火はおだやかな場合が多く、火山噴出物の色は白っぽい。
エ:Aの火山は、Cの火山と比べ、噴火はおだやかな場合が多く、火山噴出物の色は黒っぽい。
火山の練習問題の解答
【問1】
- マグマ
- マグマだまり
- 二酸化炭素
- 火山ガス
- 火山灰
- 火山れき
- 火山弾
- 溶岩
- 軽石
- 黒っぽい
- 白っぽい
- 溶岩
- 火山灰
- 火山れき
- 火山弾
【問2】
- 火成岩
- 火山岩
- 深成岩
- 斑晶
- 石基
- 斑状組織
- 等粒状組織
- 玄武岩
- はんれい岩
- 花こう岩
【問3】
- 一面がみがいてある
- ア 斑晶/イ 石基
- 1
- 4
【問4】
(1)ア
(2)エ
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